新車を買う時期

 一物一価の中古車とは違って、新車は、いつ、どこのディーラーで購入しても、製品としての違いはないはず……です。しかし、実際に購入するにあたっては、いつ、どこのディーラーで買うかが、大きな問題となります。製品は同じでも、受けられるサービスが違ってくるからです。

 その最たるものが、車両本体価格からの値引き額です。新車には、メーカーが決めた希望小売価格が提示されています。しかし、この希望小売価格通りに販売されることはほとんどなく、少なからず値引きして販売されることが常習となっています。そして、その値引き額はいつでもどこでも一定というわけではなく、時と場合によって大きく違ってくるのです。

 では、最大限の値引き額をディーラーから引き出すには、どうしたらいいのでしょうか。簡単に言えば、「売りたい事情があるとき」に買えばいいのです。たとえば「あと一台売れば販売目標を達成する」という状況なら、多少無理をしてでも売りたいはず……ですよね。こんなタイミングがうまく利用できれば、通常よりも安くクルマが買えるわけです。

 とはいえ、よほど内部事情に詳しくなければ、「あと一台で……」なんてタイミングがいつ訪れるかは分からないでしょう。それでも知りうる情報からベターなタイミングを察することはできます。

 第一に、モデルチェンジを控えているとき。国産乗用車の場合、4~6年程度の周期でフルモデルチェンジが行われ、その期間中に1~2回、マイナーチェンジが行われるのが一般的です。輸入車ではフルモデルチェンジの周期がもう少し長めなことが多いですが、その代わり、ほぼ毎年、なんらかの仕様変更が行われるイヤーモデル制をとっています。

新車の値引き目標額一覧

 内外装の一部デザインを手直しする程度のマイナーチェンジではさほど大きな影響はありませんが、外観から性能、機能までのすべてを刷新するフルモデルチェンジでは、その前後で大きく価値が変わってしまいます。ディーラーとしては、モデルチェンジ後にも前モデルの在庫が残っている……という事態は、なんとしても避けたいはず。こんなタイミングなら、通常より大きな値引き額が容易に引き出せるでしょう。

 ただし、この場合、ディーラーの在庫車を買うというのが条件です。モデル末期によりどりみどりの在庫があるわけはないので、グレードやボディーカラーなど、多少希望から外れることを覚悟しましょう。場合によっては、欲しくもないメーカーオプションがついていることで、値引き額と相殺されてしまう……なんてこともあります。

 では、買いたい車種に、モデルチェンジの情報がない場合は、いつが買い時なのでしょうか。
 車種に関係なく、一年のうちで最も自動車が安く買えるのは3月末、いわゆる年度末決算期です。株式会社は、決算までにできるだけ多くの売り上げを上げて、業績が良いことをアピールしなければなりません。当然、大幅に値引きしてでも、「売りたいとき」となります。

 注意したいのは、決算で売り上げとしてカウントされるのが、受注ではなく登録だということです。登録とは、車検証が交付されナンバーが付いた状態になること。登録のためには、警察署で車庫証明をとり、その他さまざまな書類とともに陸運局に提出し、車検証とナンバープレートを交付してもらわなければなりません。つまり、3月末までに、これらの手続きがすべて終わるタイミングで、商談を進める必要があるということです。

 すぐに登録するためには、こちらも在庫車が前提。タイミングはギリギリであるほど有利な条件が引き出せそうです。印鑑証明や住民票、車庫証明などの必要書類を事前に揃え、あえて月末ギリギリのタイミングでディーラーに赴き、それをチラつかせながら商談に臨むという裏ワザもあります。

 もっとも、自動車購入後にもディーラーとの付き合いは続くものです。あまりにあこぎな方法で値引きを引き出すと、後々、気持ちよく付き合いができなくなってしまうこともあるのでご注意を。

 年度末決算は年に一度、3月だけですが、他にも中間決算のある9月や、ボーナス商戦の6月と12月も、自動車の販売が活気づく月です。ディーラーも多くの需要を見込んでいます。サービス強化のキャンペーンなどが行われていれば、有利な条件を引き出しやすくなっていると言えるでしょう。

 ディーラーから大幅な値引きを引き出すには、他のディーラーの車種と競合させるのも手です。一般的にライバル視されている車種同士なら、お互いにかなり頑張って良い条件を出してくれる可能性があります。ライバルに対してやや劣勢なほうの車種ならなおさらです。

 なお、同じ車種でもOEMとして別ブランドで販売しているモデルや、同じメーカーでも複数の販売チャネルで扱っている車種もあり、これらを競合させることもできます。ただし、別チャネルでも直営店同士だったり、親会社が同じだったりすると効果は期待できません。

下取り価格は調べましたか?

新車購入時は車両本体価格からの値引き額にばかり目が奪われがちですが、ディーラーとの交渉で最も重要なのは下取り価格です。
新車には希望小売価格が設定されていますから値引き額は一目瞭然ですが、下取り価格には決まった金額はありません。
車種車両によって全て違うだけに、ディーラーからの提示額が妥当かどうか判断が難しいのです。
従って下取り車の相場価格をあらかじめ下調べしておくことが大変重要なのです。

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